勝どきザ・タワー

勝どきザ・タワー 外観
勝どきザ・タワー

近隣施設:勝どき区民館

売れ行き不振打開の中央エリアに対策を練り始める。すでに述べたように、昭和55年あたりからマンションの売れ行きが鈍化し、流通在庫が増加、一方でマンション業者間の販売競争が激化するようになると、各業者はこの競争を乗り切るために、マンションの設備、形態、建て方などについて、さまざまな工夫を払うようになる。こうした傾向が強く表れるようになったのが、昭和56、57年あたりからといってよいだろう。またこの時期は、住宅需要者のニーズがきわめて多様化する。ファミリータイプヘのニーズといえども、従来のような規格的なマンションを避け、変化と個性のあるものを好むようになる。しかもそこに流れる志向は、共同住宅でありながら戸建て感覚のものを目ざすという考え方である。つまり需要者のニーズに、従来からの質への志向に加えて変化と個性とを強く求めるようになったのが、昭和56、57年あたりからといえるのではないか。したがってマンションを供給するサイドにあっても、こうしたニーズに見合ったものを設計・建設する必要が起こってくる。しかも前記のように、売れ行き不振、販売競争激化などを乗り切るために各業者では競ってマンションに付加価値を付けようとする。こうしてこのころには、マンションの設計、形態、設備などの点で、新個性の時期を生むに至ったのである。そこで、このころから現れはじめた、マンションにおける新工夫、新技術の導入についてあげてみる。

外観デザインと屋根形態に工夫がされるようになる。マンションの外壁仕上げは、従来、リシン吹き付けが主流であった。ところが56、57年あたりからリシン吹き付け仕上げの外壁では、外観デザインに個性がないというところから、次第にタイル貼りが中心となっていく。当初のころのタイルの色彩も、ブラウン系が中心であったが、その後次第に色彩も多様化し、淡いベージュや白色に近い色彩のものもふえていくが、材質的にも次第に高級化、白系のタイルなどの使用も増加する。マンションの屋根の形態は、従来、フラット屋根がほとんどであり、しかもその屋上を物干し場に利用したり子供の遊び場とするケースもあった。ところがフラット屋根だけでは無個性であるというところから、55、56年ごろから、切り妻型屋根が採用されるようになる。とくに中層棟と高層棟とが混在する団地などでは、フラット屋根の中層棟の屋上が高層棟からの眺めとして好ましくないという批判もあり、こうした混在団地の中層棟では、とくに切り妻屋根の採用が積極的に行われるようになった。

このように外壁のタイル仕上げと切り妻屋根の採用とがマッチして、このころからすぐれた外観デザインのマンションが増加することになった。オートロックシステム採用の普及していく。オートロックシステムの採用については、前章でも述べたが、そのほとんどは高級マンションに限られていたものである。ところが50年代なかばあたりからは、一般のファミリータイプのマンションでも採用するところが増加した。なかにはテレビモニター付きのオートロックシステム、つまり、来訪者もしくは帰宅する人の顔がテレビモニターを通じて室内から見えるような仕組みのものも次第に増加することとなる。ちなみに、住宅・都市整備公団の分譲住宅でも、オートロックシステム設置第一号として、楽園町住宅(名古屋市昭和区)の建設を54年に行っている。ライトコート方式が人気にある。ライトコートとは、建物内に設けた吹き抜けのことで、この吹き抜けを通じて各戸の採光が可能になるところから、ライトコート(光の庭)と呼んでいる。ライトウェル(光の井戸)と呼ぶこともある。一般のマンションでは、水回り部分や廊下などには光が入らないというのが普通であるが、こうした場所に吹き抜けを通じて採光を可能にするのがライトコート方式が増加し、現在でも多くのマンションでこの方式の採用が見られる。スキップストップ方式エレペーターの導入。これは、エレベーターが各階に止まらず、たとえば、1・4・7・10階といったぐあいに、スキップしながら止まっていくという方式のもの。やはり55、56年ごろから出現しはじめたもので、スキップフロア方式、スキップアクセス方式と呼ばれることもある。この方式の効果は、エレベーターの非停止階には、上階から降りたり下階から上ったりするために、外廊下を設ける必要がない。したがって非停止階の住戸では、住戸の両面に開口部とバルコニーを設けることができるので、明るくて広々とした住戸スペースが可能になる。2017年築の勝どきタワーは耐震にも優れているおり、外観も正三角形のようなプランで施工されており、注目を浴びている。

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