旧耐震と新耐震基準の違い

旧耐震と新耐震基準の違い1981年6月に旧耐震から新耐震基準に変更した理由

1981年に新耐震基準が制定されました。この数年前に日本で大きな地震が起こり建物が倒壊して多くの人が死亡したため、旧耐震基準の見直しがされました。大きく変更された耐震基準は、

・旧耐震基準⇒震度5程度の地震では倒壊しないマンションの建築設計を義務付けている

・新耐震基準⇒震度5程度の地震ではほとんど建物に影響を与えない。震度6から7に達する大きな地震でも倒壊しない。

というように、より強度の強い建物を建築するように示されました。実際2017年になり熊本の地震など震度6の地震も珍しくないということは国民全員が理解し自分の居住エリアでも起こりえる災害と認識し始めています。熊本での地震は震度7のレベルの大きな地震が2回あったため、震源地に近く被害が大きかったとされる益城町中心部では多くの建物が倒壊しました。その中の1744棟のマンションを比べた際に実際に旧耐震と新耐震のマンションの倒壊した数値に違いがでたのです!

・旧耐震基準のマンション約700棟のうち、220棟ほどが倒壊した。約30%のマンションが倒壊

・新耐震基準のマンション約1050棟のうち、80棟ほどが倒壊した。約7%のマンションが倒壊

新耐震基準のマンションでも倒壊しているが、旧耐震、新耐震の数字を比べると明らかに新耐震基準のマンションの方が安全性が高くなっていることになります。昔に建てられたマンションであっても、建築の際に耐震基準を高く設計されているマンションもあるため、すべてこの数字に当てはまるわけではないが、この数字を無視はできない数字だと言えます。

重要事項説明の説明義務【耐震診断基準】

東京都内では数多くのマンションは引き締めあっています。多くの方が賃貸でマンションを借りたことがあると思います。その際に、賃貸借契約時に口頭で宅地建物取引士による、重要事項説明が義務づけられているのはご存知でしょうか。その中に耐震診断について説明する箇所があり、1981年6月移行に建築確認を受けているマンションかどうかを記載し、以前に施工されたマンションの場合は新耐震基準に満たされているマンションかどうかを調査し、問題なかったという調査結果を記載しないといけません。東京都内で大きな地震が起こった際は、今までで経験してきた地震よりも被害が大きくなるは確実であり、自分が契約してこれから住む家が安全なのかしっかり理解しましょう。

マンションは建築した際の構造にも違いがあります。大きく分けて鉄骨造・鉄筋コンクリート・鉄骨鉄筋コンクリート造がある。この構造であれば耐震はある程度安心できるといっていいが、築年数によっては専門家に診断してもらうことも必要です。

賃貸マンションで借りる際は、都度診断をすることは不可能です。実際にお部屋を目視で確認することも安心する材料になります。

地震については、危険性を理解しながらも、たぶん大丈夫だろう…もしかしたら…という考えが緊急時への備えを後回しになりがちです。しかし、大きな家具が倒れてきた下敷きになり亡くなる方が多いという結果が出ている以上、大事な家族を守れるように事前にできるだけの準備をしておいて損はしません。マンションの契約の際は大事な居住空間として、不動産業者で説明を受ける際は十分に注意して説明を受けるです。

木造の戸建てやアパートは特に地震に対する強度が心配です。タワーマンションや大型の高級マンションは室内での待機が安全とされる傾向にありますが、戸建てやアパートは耐震の対策が十分にされているかの確認が必要です。

3つの種類のマンションの耐震構造

耐震の種類の図

日本は震災大国として、世界の中でも地震や台風などが一年を通して多いことで知られています。マンションの購入する方はもちろん、賃貸で借りる方も自分の住むマンションの耐震性能は理解して住むべきです。その中で、耐震等級が2000年に施工されました。耐震等級とは、耐震等級1:震度6から7程度の地震に対して倒壊しない、震度5程度の地震に対して外壁や内壁に被害がでない程度の強さ。耐震等級2:等級1の1.25倍、耐震等級は1.5倍に耐えれる。耐震等級のメリットは、資格のある第三者が評価することで、購入時に参考にできる。地震保険の保険料の割引が受けられることができます。

マンションの地震対策として、耐震構造以外に、制震構造、免振構造が採用されています。3つの構造の違いを説明します。
耐震の特徴:柱や梁、壁によって建物を支え、大きな地震が起こっても倒壊しない強度を確保しています。大きな地震の際は、地震の揺れるエネルギーを建物が吸収するので、建物が激しく揺れ、建物が損傷するなどの被害がでるため、修復工事が必要になる可能性があります。
制震の特徴:建物の要所にオイルダンパーなどの揺れを吸収する装置を付けることで、地震の際の振動を抑えます。東京スカイツリーにも採用されています。
免振の特徴:マンションやビルを建てる際の基礎部分と建物との間に免振の装置を取り付けます。地震が起こると、同じように建物が左右に動くため、建物自体が地震の力に逆らない事で、地震の揺れを建物に直接伝わらないため、現時点での構造としては高い技術で安心できる構造です。建築費が高いため、大型のタワーマンションに使われる構造です。