アクティ勝どき

アクティ勝どき 外観
アクティ勝どきは、2005年3月9築階建て、勝どきエリアに建つ賃貸マンション。日本高層住宅協会は45年11月、44年10月以降の1年間に起こった紛争について。会員社を対象に調査を実施し、その結果をまとめた。回答社は54社、うち紛争物件をもつのが33社(71件)、そして解決済みが26社(49件)、現在紛争中が18社(22件)となっていた。調査結果の主な点は次のとおりであった。
▽解決済み物件(26社・49件)
物件所在地り港区:8、世田谷区:7、目黒区6、中野区5、渋谷区、新宿区各3件
文京・杉並・台東・品川の各区;2、練馬区・千代田区・各1、東久留米・武蔵野・八王子・横浜・
川崎・西宮の各市:各1。紛争の理由、日照28、通風27、工事中の障害(騒音、振動など)31、風害3、電波障害:28、プライバシー侵害:24、交通量の増加:9、地方自治体の反対:3、その他(営業用看板の明認障害):2(各件で複数理由)。反対世帯数=10世帯以下:23、紛争中の物件(18社・21件)

日本高層住宅協会は、こうした紛争多発に対応して45年、会員社に対しては「高層住宅計画ならびに実施についての内規」をまとめて、会貝社の事業指導に乗り出すとともに、束京都と同都市計画審議会に、建築行政の合法的運用方を要望した。これらの文書の要点は次のようなものであった。

▽高層住宅計画・実施についての内規
剛日照等に関する計画上の注意事項
①建築基準法および諸法令ならびに諸規定に違反がないようにすること(最低基準)
②建築物と隣地との間ではできるだけ距離をとること。建築基準法では、防火地域、準防火地域では、外壁が耐火構造の建物では、その外壁を隣地境界線に接して設けることができる、とされているが、実際にはやはり相当な距離をおくべきであろう。
③隣地を見下ろすような形になるときは、なるべく目かくしをつけること。
④主として接する道路は、できるだけ広いものになるようにし(最低幅員5メートル以上)、交通上の支障がでないようにすること。
⑤施工上についての注意事項g①騒音を発する工程については、とくに防音につとめる。とくに杭打ち工事では、できればアースドリルエ法など音の小さい工法を採用し、かつ、その工事は深夜や早朝は避けるようにすること。
⑥通行上の支障をきたさないよう、大型車の通行に際しては交通整理をすること。
⑦地下工事では隣地や道路に支障がないよう予防措置を十分にとっておくこと。
⑧足場などは堅固にし、隣地、道路などに落下物その他がないよう防護措置を十分にとっておくこと。
⑨隣地などに被害を与えた場合はすぐに補修工事をすること。
▽東京都等への要望
①マッションの建築碓認では、建物の計画、構造、設備などが合法的であっても、現状では平均82.83日、最高197日もかかっている。建築基準法によるとおり一日以内に確認してもらいたい。
②建築確認申請に際し、近隣居住者の同意書を求める場合があるが、これは法的根拠のない行政指導であるから廃止してもらいたい。
③都市計画の地域、地区変更は土地の高度利用を図る場合だけに限られたい。
④都市再開発法による高度利用地区を、建築基準法による第二種住居専用地域(マンション建築が可能な地域)の指定は、環状七号線内の区部の大部分を対象とされたい。
⑤建築基準法の第二種住居専用地域、住居地域、近隣商業地域、準工業地域の指定では、容積率100%を厳守された。
日照をめぐる紛争はこの後も続き、関西その他全国にも波及した。解決をめざしての法令の整備が求められるようになり、やがては、建築基準法による日影の規制という方式がとられるようになった(後述参照)。近隣施設:デニーズ

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