ハウスコート築地


ハウスコート築地は三井不動産・三井地所の旧分譲、東京メトロ日比谷線「築地駅」徒歩1分の中央区築地にある2005年9月築の地上14階 地下1階建て、総戸数136戸、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造の大型高級分譲賃貸マンション。終戦後の当社では氷室総務部長が中心となって,人事面での近代化が推進された。その際焦点となったのは,創立以来の身分制を改め,担当職務の内容と責任の度合に応じて職級を付与する職階制を実施することであった。これは,「業務組織の合理化と職場秩序の確立を図り,人事給与の公正を期するため(「第277回取締役会議案」)に必要な措置であった。職階制の導入は終戦直後から試みられていたが,何度かの部分的変更を経て昭和25年4月から正式に実施されることになった。尚和クラブの発足当社にはすでに昭和18年6月以来「二井不動産錬成会」なる組織が存在したが,これはもともと「政府の健民策に即応し従業員の心身を錬成」(「錬成会要綱」)するという設置趣旨や,柔剣道班・銃剣術班・参禅班等の班編成にみられるように戦争的に沿うという性格の濃いものであった。しかし戦局がけわしくなるにつれ,こうした活動の余地はほとんどなくなっていた。22年2月24日,「運勁・教化・娯楽を通Uて従業者の健康の増進,教養の向上並びに椚互親睦を図るEI的を以て」(「廻議第992号」)尚和クラブが発足した。これは,事実上開店休業状態となっていた上記錬成会を発展的に改組したものであり,錬成会のもっていた戦時色を一掃したものであった。尚和クラブの初代会長には佐・々木社長が就き,発足時には3班16部が設けられていた。これらの各部ではそれぞれ恬発な活動を開始したが,発足の年の5月には早くも第1回尚和クラブ運勁会が州催され,さらに24年8月には第二班の機関誌「塔」が
発刊された。この尚和クラブの存在が,従業員相互の親睦を深め,さらに上下の意思の疎通により風とおLのよい当社の社風の形成に果した役割は大きい。地代家賃統制令が終戦直後の当社は,前述のように占領法規による諸制限を受けただげでなく,財閥解体に伴い三井本社から多くの人員を受げ入れたのに対して,地代家賃統制令や接収によるビル事業の低迷,預金封鎖や新円切換えなどの経済的混乱もあって,経営はきわめて苦しい状態であった。そのため,昭和20年(1945)10月から21年8月にかけての第10,11期の事業年度には第1期以米初めての赤字を計上し,第2期以降続けてきた配当も行なうことができなかった。当社の赤字経営は23年末まで継続したのである。なかでも地代家賃統制令によってビルの貫貸料が抑制されたことは,総収入の80%前後をビル等の建物収入に依存していた当社にとって大きな打撃となった。14年10月から施行されていた旧J也代家賃統冊令に代わって,10月に新地代家賃統制令が施行された。旧統制令のもとでも地代と家賃は実情とかけ離れた低水準に抑制されていた拡戦後の猛烈なインフレのため新統誹令のもとでこの差はいっそう拡犬された。闇地代や闇家賃が一般的現象となったため,新統糾令も数回にわたって地代と家賃の水準を修正せざるを俘なかったが,それでもインフレの進行に追いつくことはできなかった。その点を当礼のビルの賃頁料についてみたものが第1-3図である。当社のビル事業の中心であった室町一構の各ビルの賃貸料の場合には,新統斜令のもとで22年9月(2倍),23年琲月(3.9沿),24年6月(1.3倍)の3度値上げが認可された。しかし,この程度の賃貸料の値Eげでは,とうてい卸売物価の上昇に追いつけなかっただけでなく,当社の平均給与額の上昇にも大きく及ばないというのが実情であった。そこで当社は,テナソトの了承を得て,正規の賃貸料のほかに経費臨峙負担金,建物復旧援助金という名目で役務料を追加徴収し犬。23年10月の室町一構各ビルの貸付け坪当り平均月額をみると,賃貸料が239円,経費臨時負担金,建物復旧援助金が50円で,合計399円であった。当社の総収入の5%前後を占めていた地代収入乱地代家賃統制令によってきわ第1-3図 当社のビルの賃貸料・平均給与額・卸売物価の推移したきわめて低水準に抑制された。当社の地代に関しては,新統制令下で23年に7倍になった。混乱期における模索とビル事業の再出発23年8月の時点で坪当り30円(ただし22年の追加接収部分の賃貸料)にとどまった。司時点の接収部分を除く室町一構全休の賃貸料,経費臨時負担金,建物復旧援助金の合計は坪当り156円であったから,接収部分の賃貸料はその5分の1にも満たなかった。24年6月に2.5倍の値上げが認可された。しかし,いずれの場合にも,同時に8倍ないし2.5倍の地租増徴が行なわれたため,当社の収益増にはつながらなかった。近隣施設:中央区役所

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