サンクタス銀座

サンクタス銀座
サンクタス銀座

近隣施設:中央区役所

日照基準値の地域ごとの策定ヘ、臨時都議会開会前の六月、都知事の諮問機関「太陽のシビルミニマム専門委員会」が、報告書「太陽のシビルミニマムー都民の快適な住環境の確保のために」を提出した。この委貝会は、三月の中間報告でも「日照基準を設けることのむずかしさ」を指摘していたが、六月の報告では「2.5時間 (第一種-第四種)の日照基準値を地域地区ごとに策定すること」を中心とし、都にその条例化を要望するものであった。この内容は、知事が、「市民連合」の「日あたり条例案」を都議会に提出する際、それに付ける知事意見書に織り込まれるものともされた。知事はこの意見書を八月はじめに発表した。その要旨は次のようなものであった。「日照問題は、その解決にあたって、一方では、日照をうける権利を都民の健康で快適な生活を営むために必要な権利として認めると同時に、他面において、それを前提としながら都市再開発の施策を積極的に推進してゆく必要がある。権利の主張と都市再開発の推進は、しばしば相反した要請となって現れるため、都民の立場に立ってこれら二つの要請を調和させていくことが、日照を保護する条例の目的でなければならない。第一に、同意のみによるときは、紛争解決のための基準がないことが原因となって、地域住民、建築主ともに、確たる判断ができず、紛争が深刻化し、または解決の仕方によっては、健仝な住環境の確保という目的が達成できないおそれもある。これらの問題を解決するためには、地域住民、建築主がよることのできる指標を与えると同時に、広く都市再開発等についての指標ともなる日照享受の基準を定め、その基準及び基準を適用する地域を住民の意向で定めることができるようにする必要がある。第二に、この条例案は、現に日照を得られない住宅に居住する都民に対しての配盧が必ずしも十分とはいえない。この問題に対しては、公園、緑地等の確保をはかるとともに、都市再開発による地域全体の環境改善をはかり、住民が、自由に日照を享受し得る公共空間を確保し、整備する必要がある。第三に、日照紛争は、日照保仝の制度のみでは必ずしもなくなるとはいえないので、日照紛争解決のための制度について考慮する必要がある」この「知事意見書」は、「日照問題と都市再開発の調整」の必要を述べ、「口照基準の設定」を主張している点などで、注目すべきものであった。知事はまた、八月一〇日開会された臨時都議会に、「市民連合」の「口あたり条例案」を提出した際、この「意見書」を付するとともに、次のように述べた。「申すまでもなく、都民の社会生活は複雑多岐な要素から成り立っております。行政はこの多元的な各要素の調和をはかりつつ、有機体としての地域社会の生成発展を維持し、都民の受ける利益の総和を極大たらしめることを念頭におかなくてはなりません。私は、この条例案の内容を検討した結果。日照権を確保しようとする具体的な手法その他について、いま申し述べたような立場から若干の配慮を加えることが、起こり得る紛争を防ぎ、複雑な現実の中で、請求者の意図をよりよく生かすゆえんであると考え、私の意見として議案書に添付した次第でございます」都議会は、「日あたり条例案」を「日照条例等審査特別委貝会」を設けて、これに審議を付託した。「市民の会」の「請願」もやはり同委に付託された。この「特別委」は一一日、「条例案」、「請願」を継続審査とすることとした。「市民の会」は、この間に「特別委」に、要旨次のような要望書を提出した。1.日あたり条例案は、都民の全体利益を侵害する利己的、排他的、反社会的かつ半公共的な、特定先住者の既得権益保護条例である。2.日あたり条例案にみる住民の同意は、個別利害意識に基づく同意であり、同意内容の相違により混乱と紛糾は増大する。しかも、同じ用途地域で場所によってはまったく違った運動が、同意のいかんで出現することが予想され、都市形態の破壊が進む。3.同意権は建築規制という公物の私物化である。4.日あたり条例案に、都内一一六万世帯の木造賃貸アパート居住者など、日照に恵まれないぼうだいな都民の劣悪居住環境になんらの配慮がないのは、知事意見書の指摘のとおりである。5.口照紛争および日照享受の不平等は、すべて都の区部についての大規模再開発による、良好な住宅の大量供給と空地緑地の創造によって解決される。すなわち、この方策で日照影響および被害は消滅していくことになるので、紛争終結の見込みのない日あたり条例より再開発が先決である。本格的な審査は、九月下旬の都議会に持ち越された。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です