チェレスティーノ


爽快感のあるオフホワイト一色に統一されたデザイナーズマンション、チェレスティーノ。地震と高層住宅、業界の防災対応に変化が表れていく。昭和53年6月に発生した宮城県沖地震では、死者22人、負傷者9313人、家屋の全・半壊約4300戸という大きな被害がでた。とくに仙台市を中心に、ブロック塀、石塀などの倒壊による死傷者が多かったが、高層住宅では、2.3の例外を除くと、木造戸建てに比べてずっと被害は軽微であり、同住宅が地震に強いことが示された。この地震の被害について、建設省(建築研究所など)や、日本高層住宅協会はそれぞれ調査団を現地に派遣、被害状況を調査するとともに、対応策の検討を進めた。これらの調査報告書のうち、マンションなど鉄骨コックリート・鉄骨造り建築物の被害状況はあらまし次のように記されている。建設省建築研究所報告書では、鉄筋コンクリート造り建築物の被害=被害建物は仙台市内東部の卸町、東北部の原町に集中的にみられた。卸町における鉄筋コンクリート造り建築物が大被害を受けたのは197棟のうちの6棟(4.6%)、倒壊と考えられる被害は3棟(5%)と、他の建築物に比べ被害はきわめて低い。また、仙台市内の五階建て以下の壁式アパートの被害はほとんどなかった。被害率は低かったが、被害のいちじるしい建物の特徴は次のように要約される。国やや軟弱な地盤上に建つ杭支持の建物、または傾斜の造成地に建つもの、東北方向に耐震壁がないか、または偏心のいちじるしい3~4階建てのもの、片持ち床部分があるか、または長さが長いなど柱一本の負担床面積が大きいもの、岡設計が46年以前の建築基準法施行令によるものである。

柱の帯筋間隔が粗く、既存不適格建築物。鉄骨鉄筋コンクリート造り建築物の被害、仙台市内の東部に建つ9階建てから14階建ての鉄骨鉄筋コンクリート造りアパートでは、主として長辺が東北方向に向く建物において、小開口を有する非耐力壁部分に顕著なひび割れの見られたものがあったが、構造部材の損傷は軽微であった。鉄骨造り建築物の被害、仙台市内の東部や南部および東北の泉市などで倒壊を含むいちじるしい被害を受けた建物が散見された。それらの被害建物の特徴は次のとおりである。やや軟弱な地盤上に建つもの、㈱南北方向にプレースが耐震要素となっているもの(ただし、両方向プレースのとくに杭脚部、柱・はり接合部、弱地盤とが交差していた地域に位置した建物に発生が多かったようだ(卸売団地、45号線沿線の倒壊建物を含む)。高層住宅に発生した被害を要約すると、国構造体に影響ある被害は、2.3の例を除いて皆無に近く、今回の地震で構造体は安全だった、多発地域内でも低層集合住宅の被害は僅少(壁構造、ラーメン構造とも)、高架水道の架台座屈で水槽が傾斜したための給水パイプ破損の発生は全体の30%。在来の鉄製の被害は発生していない(むしろ、新製品に問題があったようだ)、高層の建物でコンクリート非耐力壁に亀裂が発生し、玄関扉、アルミサッシなどの開閉に重大な影響を与えた(仙台市内3800戸のうち800~900戸に発生)、困軟弱地盤において、建物周辺の埋め戻し部分の沈下により、排水マンホール沈下、下水破損などによって排水に影響を与えた、の五項目に大別される。居室内専用部分での造作の被害は、外壁などの亀裂発生と比べて軽微な被害であり、とくに屋内給排水、ガス管など折損を含め設備の被害は皆無に近く、木造戸建てに比べるとはるかに軽微な被害であった。近隣施設:マルエツ

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