東京ミッドベイ勝どき


東京ミッドベイ勝どきは勝どきエリアに建つ総戸数233戸の大規模分譲賃貸マンション。黒を基調とした外壁とクリアパネルを使用したスタイリッシュな外観。5期5ヵ年計画で誘導居住水準を導入していく。この時期のマンションの一般的状況に入る前に、60~62年ごろの、住宅・不動産に関連する出来事や傾向を列挙しておこう。まず60年4月には、マンション保全診断センターが発足している。これは、高層住宅管理業協会に付属して設けられたもので、最近とみに重要視されるようになったマンションの躯体や設備などに関する診断、あるいは保仝を推進しようというもの。その後、同センターでは、分譲マンションの診断・保全を数多く実施している。60年8月には助マンション管理センターが発足した。同センターは、マンション管理組合がそれぞれ加人する形をとっており、そのための修繕の相談に応じたり、大規模修繕計画のモデルづくり、また、マンションの共用部分の修繕費として住宅金融公庫資金を借り入れるさいの債務保証を行うのも業務の一つとなっている。

61年4月からは、第五期住宅建設5ヵ年計画がスタートしている。この5ヵ年計画は、住宅建設計画法にもとづくもので、5ヵ年間を一期として建設省が住宅宅地審議会の答申をもとに立案する住宅建設に関する計画であるが、昭和41年度からはじまり、61年度にスタートしたのが第5期(61~65年度)に当たる。この計画の特色の一つとしてあげられるのは、住宅の床面積について誘導居住水準しの考え方を掲げていること。これは、平成12年まで、つまり21世紀がはじまるまでに、日本の住宅の半数以上が達成すべき住宅規模を表すものであり。いわば住宅の床面積は、このくらいの規模であってほしいということを示している。この誘導居住水準には、住宅の種類(一般型戸建て住宅、都市型マッション)、家族構成などによって異なるが、たとえば4人家族(夫婦・子供二人)、都市型の場合の誘導居住水準は、専有面積91平方メートルという規模を掲げている。61年4月には、東京・赤坂のアークヒルズが完成した。かつての細分化された街区を再開発したもので、オフィス棟、住居棟、ホテル棟などから成り、一つの都市の形態をそなえた街となった。都心部における再開発事業の典型といえる。このころになると、分譲マンションの売れ行きがきわめて奸調となり、即日完売の現象があちこちで見られるようになる。いわば、マンションの第五次ブームの到来であるが、これについては後に述べよう。61年6月には、21世紀不動産業ビジョンが建設省から発表されている。これは、とかく近代化が遅れがちな不動産業の現状を分析、それにもとづいて、これから21世紀を目ざして不動産業はどのような対策を講じたらよいか、どのようにあったらよいかを提言したものマンション供給についても示唆するところが多く、読む人にたいする説得力のある提言内容となっている。62年に入ると、大都市とその周辺の地価上昇はいっそうはげしくなるが、こうした地価高騰への対策として5月に国土利用計画法の改正が国会で成立、8月から実施された。改正の内容は、地価高騰のおそれがあるところに監視区域を設けることができるというものになっている。

従来、2000平方メートル以上の土地取引については都道府県知事に届出をしなければならなかったが、監視区域では、さらに小さな面積以上の土地についても届出が必要となった。この制度が実施された当初のころは、東京都とその周辺でも、届出の必要な面積は、500平方メートル以上、あるいは300平方メートル以上となっていたが、62年11月以降、束京周辺の主要地域では、届出必要の面積は100平方メートル以上となり、土地取引に関する規制はいよいよきびしくなった。近隣施設:文化堂

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